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古湯温泉 ♨   

佐賀県と福岡県の県境の山間の町、佐賀市富士町にある古湯(ふるゆ)温泉。
のどかな山峡の温泉ですが、その歴史は大変に古く、約2100年前、秦の始皇帝の命により
不老長寿の霊薬を求めて渡来した徐福が発見したといわれています。001.gif

主人たちの恒例の同期会で、6組の夫婦12名の集まりでした。
現在の古湯は、十数軒の湯宿が軒を連ねておりますが、私たちが泊まったのは、
『鶴霊泉』というお宿でした。

鶴霊泉

とても趣のある懐かしい感じのするお宿で、芸能界やプロスポーツ界の人たちにも
人気があるようです。
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ここの温泉は珍しい天然の砂湯で、湯船の底に砂が敷かれていて、砂の下の大きな岩盤の割れ目から湯が自然湧出しています。
 
← 宿のパンフレットから写真をお借りしました。




大正9年秋(古~い話ですネ)、長崎医専(現長崎大学医学部)の教授だった、歌人でもある
斉藤茂吉が病気療養のために、この古湯に3週間滞在したそうです。そのとき茂吉は38首の
優れた歌を残していて、その中の1首が刻まれた歌碑が、この『鶴霊泉』の裏庭に建てられて
いました。(写真を撮るのを忘れました。007.gif
茂吉はこの宿の砂湯のことも歌に詠んでいて、とても気に入っていたそうで、古湯の温泉で病気も
全快したそうです。
ちなみに、そのときの病気は、第一次大戦後に流行したスペイン風邪だったとか。
今の時代でも新型インフルエンザ等、流行っていて恐いですが、大正時代のスペイン風邪は
本当に恐かったでしょうね。

この宿には砂湯のほかに、『朝霧の湯』と『夕鶴の湯』という二つの貸切家族風呂があり、
どちらも命名されたのは、俳優の仲代達矢さんです。
仲代さんは20年程前に、今は亡き奥さまとお二人で、予約もなしにふらりと来られ、
「泊めていただけますか?」
仲代さんとは全然判らずに、女将さんは泊めてあげて、それ以来のお付き合いとのことでした。

この宿が仲代さんはとてもお気に入りで、今でもクリスマスの頃に、毎年ご家族で泊まりに
来られるそうです。女将さんから仲代さんのいろいろなエピソードをお聞きして、益々
仲代さんのファンになりました。016.gif

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仲代さん命名の湯~ 左下に仲代さんのサインがあるのがわかるでしょうか。(^o^)














手入れの行き届いた庭園を眺めながらの、こじんまりとした可愛い貸切展望家族風呂です。(^^♪
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4年前に亡くなった実家の母は、長く短歌をやっていました。私も何度も勧められましたが、私は
作歌はダメで、もっぱら好き勝手な批評を引き受けておりました。(^^)

好きに批評するのは自由で簡単ですが、作るとなると全然違いますね。
右脳か左脳か、どこで作るのかわかりませんが、私は短歌は作れませんでした。
でも、素人の私の、遠慮のないストレートな意見・感想を、母はとても喜んで心待ちにしていました。
母が亡くなった今は、短歌を目にすることも少なくなりました。

『鶴霊泉』で斉藤茂吉の短歌に少しだけ触れて、母のことがとても思い出されました。

by andante61 | 2009-11-24 10:15

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